薩摩半島八瀬尾地域の蛇紋岩体と四万十帯堆積岩層との低角境界
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概要
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薩摩半島中央部の八瀬尾地域(四万十帯北帯)には蛇紋岩類が分布することが知られている.従来「貫入岩体」と見なされていた蛇紋岩類は,産状によって蛇紋岩体,蛇紋岩孤立岩塊および蛇紋岩主体の崩壊堆積物に区別できる.蛇紋岩体は,ほぼ水平もしくは浅い皿状の構造的境界面を介して西傾斜の砂岩層・砂岩泥岩互層(四万十累層群佐伯亜層群)の上に載っていて,岩体基底部の変形構造は上位側の東方への相対的変位を示唆する.これらの観察結果から蛇紋岩体は西側から移動してきて佐伯亜層群の上に定置したクリッペであると解釈できる.九州西南部の地体構造と蛇紋岩類の分布状況から推定すると,蛇紋岩クリッペの後背地は秩父帯の黒瀬川帯とされる領域にあると考えられる.
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