一次分子量と橋かけ点間分子量<I>M<SUB>C</SUB></I> : 加硫ゴムの容液的研究 (第1報)
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概要
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加硫前の生ゴムの分子量および分布 (一次分子量) と, それを加硫して得られる加硫物の橋かけ点間分子量<I>M<SUB>c</SUB></I>との関係を調べようとして本実験を行なった.まず, 分子量分布の広い原試料 (シスポリブタジエン) をカラム溶出法によって分子量が異なりかつ分布の狭い数種のフラクションに分別し, それら試料の平均分子量, 分子量分布, 枝分れの有無, ミクロ構造を稀薄溶液的あるいは赤外測定手段によって明らかにした.つぎに, 原試料の純ゴム無いおう加硫に対する加硫曲線を求め, 一定の加硫時間を決定した.<BR>この加硫時間を用いて各試料を原試料とまったく同一条件のもとに加硫し, 得られた各加硫物について膨潤実験を行なった。平衡膨潤比からFlory-Rehner理論によって各加硫物の.<I>M<SUB>c</SUB></I>を計算した.本加硫条件下では原試料の<I>M<SUB>c</SUB></I>は1.7万であった.分別試料では分子量10万以下のものは加硫が不可能であるか, あるいは加硫しても多量の溶媒可溶分を含有する.分子量10万から50万までの問では<I>M<SUB>c</SUB></I>は2.5万から1.5万まで徐々に低下する.分子量数十万以上のフラクションでは<I>M<SUB>c</SUB></I>はほぼ一定値1.5万を示す.この分子量と<I>M<SUB>c</SUB></I>の関係を原試料の加硫前の分子量分布と対比させることによって, 原試料中にできた<I>M<SUB>c</SUB></I>の分布の傾向が定性的ながら明らかとなった.
- 社団法人 日本ゴム協会の論文
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