澱粉の異常結合に関する研究 : (第4報) いわゆるZ-酸素についての考察
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
各種の処理を施したアミロースのβ-アミラーゼによる分解率を測定するとともに,杏エムルシンの精製とβ-グルコシダーゼ,β-キシロシダーゼ,Z-酵素相互の関係を検討し次の知見を得た. (1) アミロースを第1表の如く処理してもβ-アミラーゼによる分解率に大きな変化を来さない. (2) アミロースを乾燥状態で長期間放置するとヨードによる呈色度を著しく減少する.然しながらβ-アミラーゼによる分解率は変らない. (3) アミロースを0.4N-NaOHで98°, 1時間加熱するとき,残るアミロースはβ-アミラーゼによって殆んど100%分解される. (4) Z-酵素がβ-グルコシダーゼでないことを確認するとともにβ-キシロシダーゼでもないことを認めた. (5) 杏エムルシン中のα-アミラーゼのアミロース分解曲線が麦芽及び細菌のα-アミラーゼのそれと異ることを認めた. (6) アミロースがβ-アミラーゼで100%分解されない原因がアミロースの高分子的な性質によることの可能性ならびにZ-酵素が微量のα-アミラーゼである可能性について考察した.
- 社団法人 日本農芸化学会の論文
著者
関連論文
- 澱粉の異常結合に関する研究 : (第4報) いわゆるZ-酸素についての考察
- 緑葉中に於ける同化澱粉の分解機構 : (第4報)甘藷葉より抽出したsaccharogenic activityを主とする酵素系のアミロースに対する作用
- 緑葉中に於ける同化澱粉の分解機構(1)-甘藷の同化澱粉より純離せるAmylaseの電圧滴定に就て-