醤油香味成分に関する研究(第20報) : α-ジケトン化合物(その2)
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概要
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(1) 天然物における揮発牲α-ジケトン系列化合物のジオキシム誘導体としての系統的検索法を確立した. (2) 醸造醤油中の揮発性α-ジケトン系列化合物を検索し醸造物に一般的であるジアセチル,及び前報にて証明せるアセチルブチリールの他に,新しくアセチルブチリールより多量にあり,香気的にも非常に重要と思われるアセチルプロピオニールの存在を証明した. (3) 醸造醤油粕の水蒸気蒸溜液からも,ジアセチル,アセチルプロオニールの存在を証明し,なおフルフラールをオキシム誘導体として分離して証明した. (4) 半化学醤油,二次アミノ酸液中の揮発性α-ジケトン系列化合物を検索し,半化学醤油からはジアセチル及びアセチルプロピオニールを,二次アミノ酸液からは,ジアセチルのみを検出し,醸造醤油中のアセチルプロピオニール及びアセチルブチリールがそれに特徴的なものであることを推定した. (5) 古く小玉(9)により推定されたC5H6O2なるケトンアルデヒドは本報にて証明したアセチルプロピオニールではなかったかと考察した.
- 社団法人 日本農芸化学会の論文
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