マヨネーズの粘性に関する研究(第1報) : 油の濃度の影響
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
マヨネーズの粘性はマヨネーズの重要な性質の1つである. マヨネーズは0/W型エマルジョンであってその粘性は分散相である油の容積分率と関係が深い.著者は卵黄とサラダ油を混合攪拌して卵黄マヨネーズを調製し,押出粘度計によって粘性を測定してマヨネーズの粘性と海容積分率の関係を求めた. 卵黄マヨネーズは一般にチクソトロピー性の粘性を有するが,油容積分率の増加とともにこの傾向は増大し,通常のマヨネーズにおける油容積分率約0.75〜0.8ではこの傾向が飛躍的に大となる.これはこの濃度においては最密充填(74%)をこえるので油球の表面膜の触れあいによる抵抗力が大となるためと考えられる. 卵黄マヨネーズの粘性は油容積分率の増加とともに著しく増大する.相対粘度と油容積分率との関係の実測結果をEinsteiu, Richardson, Sibrée等の関係式と比較検討した.その結果,高濃度ではSibréeの式がかなりよくあう.さらに新しい関係式 lnηr=φ・eaφ が相当広い濃度範囲にわたって,よりよく成り立つ.
- 社団法人 日本農芸化学会の論文