ストレプトマイシン醗酵における鉄阻害の金属キレート剤による防止とフラビンの生成について
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概要
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(1) St. griseusを用いてSM醗酵を行う場合,鉄粉が存在すると全SM生産は低下し,かつmannosido-SM含量が著しく増加した. 鉄の阻害を防ぐため金属キレート剤を添加し供試した化合物の中,ニトロソR塩はよく鉄イオンの阻害を防止し得てmannosido-SM含量を減らすことができた.ニトロソR塩の添加条件を検討し,また鉄製の醗酵槽で起った異常醗酵液に応用した. (2) St. griseusはSM醗酵中にフラビンを生成し菌体中にはFRとFADが,また濾液には主にFRとFMNが証明された.該菌は鉄が存在すると発育の中期まではフラビンの生成が抑制されたが,後期になると正常に復した.またニトロソR塩はフラビンの生成にほとんど影響はなかった. St. griseusは菌体の内外に数種の紫色の蛍光物質を生成していた.
- 社団法人 日本農芸化学会の論文