フラジオマイシンの褐変について
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概要
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FMの褐変は,溶液のpHによって影響をうけ,アルカリ側に傾くに従って褐変が促進された.この場合,水酸イオンは触媒として作用していることを指摘した.実験に供した糖はすべてFMの禍変を促進し,なかんずくキシロースの影響が最も著しかった.また褐変に伴ってFMの抗菌力も失活していった.しかし失活に及ぼす影響は糖の種類によって異なり,褐変に及ぼす影響とは必ずしも一致しなかった.窒素化合物の中では,グリシン.も褐変を促進した.アミノ・カルボニル反応の抑制剤は,よくこの褐変を抑制した. 以上の結果にもとづき, FMはアミノ・カルボニル反応によって褐変と抗菌力の失活を起すものと結論した.
- 社団法人 日本農芸化学会の論文