米のアミノ酸含量に関する研究(第1報) : ベックマンアミノ酸分析計による白米グルテリンのアミノ酸分析
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概要
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バリン,イソロイシンは72時間加水分解が高い値を与え, Smithら(5)のカルボキシペプチダーゼ, Smithら(6)のパパイン, Mahowaldら(7)のミオキナーゼ, Noltmannら(8)のアデノシン3リン酸クレアチントランスホスホリラーゼのアミノ酸分析の際に報告された事実と一致した.リジンおよびヒスチジンもこのような傾向がみられた.セリン,メチオニン,チロシンは72時間加水分解でかなりの破壊がみられたが,アスパラギン酸とグルタミン酸も長時間加水分解で僅かながら減少する傾向を示した. 第5表に白米グルテリンのアミノ酸分析値を著者らの結果と文献値を対比して示した.著者らの数値は文献値にくらべてリジンがやや低い値を与えたが,その他のアミノ酸は大体文献値と一致した.近藤ら(14)の報告によれば,著者らが分析した白米グルテリンの標品には糖質と核酸が残存していると考えられ,これらの不純物は塩酸加水分解の際に一部のアミノ酸の破壊を起すことが知られており,未回収の窒素の一部分は核酸中の窒素および破壊されたアミノ酸に起因するものと考えられる.
- 社団法人 日本農芸化学会の論文
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