ルーメン内セルロース分解に関する研究(第4報) : ルーメン内セルロース分解菌の糖利用性
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概要
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単離されたルーメン内で主要と目されるセルロース分解菌8株の糖利用性につき検討した.その結果,ルーメン内多糖類のうち,とくにセルロース性基質の分解のみに関与するセルロース分解菌以外に,アミラーゼ能も強く,デンプンあるいはキシラン等の分解にもあわせて関与するセルロース分解菌の存在が見出され,とくに供試菌株の大部分が後者のタイプの菌であることから,ルーメン醗酵系におけるセルロース分解菌の重要性が示唆された.また,多糖類の分解過程で生成される代謝中間物質である少糖類および単糖類の資化性を検討したところ,グルコース,セロビオース,マルトース,シュクロースはほとんどすべての菌が分解できることが認められ,一方,グルコースとセロビオースの資化性に差が認められた.両者の基質について揮発性ならびに不揮発性脂酸産生能を比較すると,一般にセロビオースの方が酸生成量が多く,各個揮発性ならびに不揮発性脂酸組成においても量的な差が認められた.その他,基質特異性としてもグルコース,セロビオース以外の基質についても同一条件で検討したところ,とくにR. albus 862-2株およびCellulomonas fimi R 2株において顕著な差が認められた.
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