T-2 toxinの新代謝物: 3-hydroxy T-2 toxinおよび3-hydroxy HT-2 toxinの急性毒性作用と細胞毒性
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概要
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T-2 toxinの生体内における新代謝物である3-hy-droxy T-2 toxinおよび3-hydroxy HT-2 toxinのマウスに対する急性致死毒性作用および原虫に対する増殖抑制作用を,他のT-2 toxin関連代謝物のそれと比較検討した. (1) T-2 toxin関連代謝物のddy系雄マウスに対する腹腔内投与時のLD50値(mg/kg体重)は, T-2 toxin 4.79±0.43, 3-hydroxy T-2 toxin 4.63±0.63, 3-hydroxy HT-2 toxin 22,84±2.04, HT-2 toxin 6.50±0.51, neosolaniol 17.80±1.54, 4-deacetylneosolaniol 17.91±1.66, 15-deacetylneosolaniol 12.59±1.13およびT-2 tetraol 22.31±2.22であった. (2) 3-hydroxy T-2 toxinを腹腔内投与した雄マウスの組織病理学的変化は,骨髄や脾臓の造血細胞の著明な消失,胸腺の萎縮,腸管の損傷など, T-2 toxinの既報の急性期の病理像に共通していた. (3) 原虫(Tetrahymena pyriformis GL)に対する50%増殖抑制濃度(IC50, μg/ml)は, T-2 toxin 0.0098±0.0016, 3-hydroxy T-2 toxin 0.75±0.20, 3-hydroxy HT-2 toxin 0.18±0.04, HT-2 toxin 0.31±0.11, neosolaniol 1.78±0.43, 4-deacetylneosolaniol 1.94±1.44, 15-deacetylneosolaniol 3.02±0.63およびT-2 tetraol 1.97±0.60であった. (4) 以上の毒性学的知見と,これまでに明らかにしたT-2 toxinの生体内代謝に関する知見から, T-2 toxinの生体内での毒性発現について考察した.
- 社団法人 日本農芸化学会の論文
著者
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大坪 浩一郎
東京都老人医療センター
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芳沢 宅実
香川大学農学部
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阪本 妙
香川大学農学部
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岡本 和美
香川大学農学部食品学科
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芳沢 宅実
香川大学農学部食品学科
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大坪 浩一郎
東京都老人総合研究所臨床病理学部
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