オリゴ糖鎖置換ポリスチレンへの肝細胞の接着
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概要
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(1) ラクトース,メリビオース,セロビオース,およびマルトースを側鎖に持つ4種類のポリスチレン誘導体(それぞれの略称: PVLA, PVMeA, PVCA,およびPVMA)を合成し,これを培養基質としてラット肝細胞の接着挙動を調べた. (2) 血清添加系および無添加系における初期接着,重合体による肝細胞の前処理の効果(接着阻害効果),低温(4°C)での接着性,およびカルシウムイオン濃度効果などを調べた.肝細胞の接着の強さは,PVLA>PVMeA>PVCA>PVMAの順序となることがわかった. (3) PVLA皿には, 4°Cの低温においても肝細胞が強く接着することが注目される. (4) 血清およびアルブミンの添加効果および共重合体への初期接着性について,肝細胞の特異的接着の観点から考察を加えた. (5) PVLAへの肝細胞の接着挙動は,肝細胞によるアシアロ糖タンパク質の取り込みと類似しているので,細胞表面のアシアロ糖タンパク質レセプターが,接着においても特異的認識に関与しているものと推定した. (6) 重合体の表面に高い密度で糖鎖が集合しているために,肝細胞の接着において特異的認識が有効に働くものと考えた.
著者
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