底質からの硫化水素生成
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概要
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汚染底質における細菌叢のペプトン-人工海水中における窒素通気攪拌培養実験,および底質-人工海水(1対1)の振盪培養実験の結果,底質や伝熱管などのスライムにおける硫化水素生成に関して,以下のことが明らかとなった. (1)温度の影響として, 25°Cと35°Cとを比較すると,高温のほうが最大発生速度は大きいが,硫酸塩還元細菌の水素供与体が共存する嫌気性細菌から供給される関係から,長期間にわたる生成量では25°Cのほうが多くなった. 5および45°Cでは,硫化水素生成はみられなかった. (2)水素供与体の添加の硫化水素生成への影響は,培養初期には大きくない.これは,共存する嫌気性細菌の生成する水素供与体が,それを利用する硫酸塩還元細菌にとって十分であるためであろう. (3)全嫌気性細菌の活性は,海水と同じ塩分濃度において最大値を示したが,硫化水素生成速度は,海水塩分濃度の0.5〜2倍の範囲においては塩分濃度の減少とともに増加し,淡水性硫酸塩還元細菌の寄与の大きいことを示した. (4)硫化物で黒化した汚染底質では,有機物および硫化物の量はその消費,生成などの変化速度に比べ十分な蓄積をなしており,その時間的変動は小さい.しかし,そこに蓄積された有機物の全体量が硫化水素生成量を規定し,有機物量と硫化物量とは一種の安定な平衡状態を形成する.
- 社団法人 日本農芸化学会の論文
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