酵母によるオレフィンの代謝 : (第1報) 1-テトラデセンおよびn-テトラデカンからのクエン酸生産について
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概要
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酵母によるα-オレフィンの利用を目的として, α-オレフィンを資化しうるCandida属酵母2株を選択し, 1-テトラデセンおよびn-テトラデカンを各々単一炭素源としてα-オレフィンとn-パラフィンとの資化性およびクエン酸生産性を比較検討した. (1) C. tropicalis IFO 0589は, 1-テトラデセンもn-テトラデカンをもよく資化して前者からは40g/l(収率96%),後者からは48g/l(収率116%)のクエン酸を生成蓄積した.それに対してC. lipolytica IFO 0746は,n-テトラデカンからは47g/l(収率115%)のクエン酸を蓄積し1-テトラデセンにも良好に生育するにもかかわらず,クエン酸をほとんど蓄積しなかった. (2) 1-テトラデセンを基質とした場合, C. lipolyticaはチアミンのみを要求し, C. tropicalisはビオチンのみを要求した.n-テトラデカンを基質とした場合にも同様の結果が得られているので,栄養要求性に関しては両基質の間に差違のないことが知られた. (3) C. tropicalisによる1-テトラデセンからのクエン酸生産に際して,チアミンは生育因子ではないが,正クエン酸とイソクエン酸との生成量に大きな影響を及ぼすことが知られた,すなわち,チアミン無添加での正クエン酸とイソクエン酸との蓄積最はそれぞれ22g/lおよび13g/lであるのに対し,チアミン存在下ではそれぞれ17g/lおよび22g/lとなり,イソクエン酸量の増加が明らかであった.
- 社団法人 日本農芸化学会の論文
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