底質水銀の結合母体としてのペプチドについて
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概要
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著者らは常呂川流域にあるイトムカ沼の底質より水銀化合物を抽出し,さらにゲル濾過をくりかえして分離精製した,得られた物質(MP)についてTLC,濾紙電気泳動で物質の単一性を確認した.つぎにMPについてUVスペクトル, IRスペクトル,元素分析,およびMP中の金属の性質などについて検討した結果, MPは水銀および鉄を含むペプチドであろうと推定された.分子量の測定およびアミノ酸の分析を行った結果, MPは分子量が約10万のペプチドで水銀は錯結合していると思われた.従来,有機水銀化合物としてはメチル水銀化合物が報告されているが,新たに水銀を錯結合したペプチドが抽出されたことは興味ある知見と考える. なお,この研究を行うに当たり同志社大学工学部工業化学科の金銅万知,田中進両君のご協力をいただいたことに対し深謝の意を表するしだいである(1975年2月19日,水質汚濁シンポジウムで内容の一部を発表した).
- 社団法人 日本農芸化学会の論文
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