炭化水素資化性細菌のバクテリオファージに関する研究
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概要
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ノルマルパラフィンから著量のL-グルタミン酸を生成する細菌を宿主とするファージ, H-1, H-2を分離し,以下の諸性質を明らかにした. (1) H-1ファージはテンペレート・ファージであり, H-2ファージはH-1ファージのclear plaque mutantである. (2) H-1ファージに耐性を示すことで分離した“耐性株”はすべて溶原株であり, H-2ファージにも耐性を示した.プロファージを持っていない耐性株は, H-2ファージを用いることにより容易に得られたが,高いm. o. i.の使用がその分離に効率的であった. (3) Arthrobacter paraffineus, Corynebacterium hydrocarboclastus, Nocardia erythropolisおよび未同定のCorynebacteriumなどの菌株が,両ファージの宿主となった. (4) 両ファージは, S型集落形成菌よりはR型集落形成菌上で大きいプラークを形成した. (5) 両ファージはおたまじゃくし型で,頭部70mμ,尾部10×290mμ,潜伏期120〜130分,平均放出数約100であった. (6) 両ファージはノルマルパラフィンによっては不活化されないが,ノルマルパラフィン含有の液体培地では増殖が認められなかった.
- 社団法人 日本農芸化学会の論文
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