タバコ葉の乾燥経過中に供与された14C-標識糖の代謝
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概要
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黄色種タバコの火力乾燥と在来種タバコの空気乾燥におけるグルコース,フラクトースならびにショ糖の挙動と呼吸によるグルコース代謝を知るため,乾燥経過中の葉から採ったディスクに14C-標識糖を供与し,その代謝を追求した. 1. 乾燥経過中の葉に供与されたグルコース-U-14C,フラクトース-U-14Cならびにショ糖-U-14Cの挙勤:ヒックスを用いた火力乾燥葉にグルコース-U-14Cあるいはフラクトース-U-14Cを供与すると,供与糖からショ糖が合成され,とくに黄変期に著しかった.色沢固定期以降では,大部分が供与糖の形態で留まった,ショ糖-U-14Cの場合は,乾燥期間を通じて大部分が供与形態で存在した. 一方ダルマの空気乾燥では,両単糖の供与については火力乾燥と同じ現象が認められたが,ショ糖-U-14Cの場合にはグルコースとフラクトースへの加水分解ガ起こり,とくに褐変期に,おいて著しかった. 2. 乾燥経過中の葉の呼吸による炭酸ガスの放出とグルコースの代謝:乾燥葉の炭酸ガスの放出は,MCの火力乾燥では黄変末期まで増加し,それ以降は減少した.これに対して,ダルマの空気乾燥葉では漸次減少するが,褐変期においてもなお炭酸ガスの放出が続いた. またグルコース-1-14Cとグルコース-6-14Cによる放出14CO2放射活性の比から呼吸類型を調べたところ,乾燥前ではMC,ダルマの両品種ともEMP-TCAとHMP経路の働きがほぼ半ばであったが,乾燥が進むとHMPの役割が高くなる傾向が認められた.
- 社団法人 日本農芸化学会の論文
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