タバコ葉の乾燥中における糖質の変化と,その分解に関与する酵素活性の推移について
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概要
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黄色種タバコのヒックスを火力乾燥し,在来種のダルマおよび白遠州を空気乾燥して,それぞれの乾燥経過に伴う糖質含量と糖質の分解に関与する酵素活性の推移を調べた. 乾燥による乾物損失はダルマが最も高く,ついでヒックス白遠州の順序となり,また乾物損失の糖依存割合は,ヒックスで約50%,ダルマ約70%,白遠州約35%であった. 乾燥経過に伴う糖質の変化はヒックス,ダルマともに黄変期にデンプンの分解が起こり,同時に可溶性糖が増加した.白遠州は糖含量が少なく,前2品種ほど明瞭でなかった,可溶性糖成分中グルコース,フラクトース,ショ糖の3種が圧倒的に高かった.ヒックスでは色沢固定にショ糖の増加が起こるのに対し,グルコースは一定の含有率を保ち,フラクトースは減少した.ダルマ,白遠州ではいずれの糖成分も減少し,なかでもショ糖の減少が顕著であった. 火力乾燥のピックス,空気乾燥のダルマにおけるα-, β-アミラーゼ,フォスフォリラーゼ,インベルターゼならびにマルターゼ活性の推移を調べたところ,ヒックスでは両アミラーゼはともに色沢固定期にピークを示し,ダルマでは黄変期に活性の最高になる時期があった.インベルターゼはヒックスで色沢固定期にピークを示すのに対し,ダルマは乾燥終了時まで活性が増加した.マルターゼは両タバコとも活性が低かった.
著者
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