進行原発性卵管癌においてPaclitaxel, Carboplatinの併用療法がきわめて奏効した1例
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概要
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原発性卵管癌は婦人科悪性腫瘍においてまれな疾患であり,卵管采部が閉鎖していないと容易に腹腔内に播種状転移し,進行して発見されることがある.高齢者の進行原発性卵管癌において,術後の寛解導入化学療法のPaclitaxel(TXL),Carboplatin(CBDCA)療法を施行し,著効したので報告する.症例は,76歳の1回経産婦で平成○年2月初めに腹部膨満感があり,その後大量の腹水貯留が生じた.1ヵ月後に大量腹水の精査のために入院した.腹部CT検査にて,多数の結節を認める原発不明の癌性腹膜炎で卵巣癌やserous surface papillary carcinoma(SSPC)が疑われた.腹水細胞診を行い腺癌と診断された.入院後3週間して開腹手術を施行し,摘出標本の病理組織診断により類内膜腺癌(G2〜G3)でFIGO分類IIIcの卵管癌と診断された.術後に寛解導入化学療法としてTJ療法を5コース施行した.TJ療法を3コース終了後に高値を示していた腫瘍マーカーは正常化し,CT所見でも残存腫瘍は消失した.現在,術後2年10ヵ月経過するも再発所見は認められていない.〔産婦の進歩58(2):152-156,2006(平成18年5月)〕
- 近畿産科婦人科学会の論文
著者
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