ホーレンソウ緑葉のフェノール酸化酵素:細胞内分布とミトコンドリア分画より精製した酵素の二,三の性質
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概要
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ホーレンソウ緑葉各細胞分画の各種フェノールに対する酸化能をしらべ,さらにミトコンドリア分画よりフェノール酸化酵素を分離し,その二,三の性質を検討して,次の結果を得た. (1) クロロプラスト分画は,カテコールとハイドロキノンを,ミトコンドリア分画,可溶性分画はカテコールのみを酸化した. p-クレゾールは,どの分画によっても酸化されなかった. (2) ミトコンドリア分画のアセトン粉末よりフェノール酸化酵素を抽出し, P-セルロース, DEAE-セルロースで順次処理して,精製酵素を得た. (3) 糖製酵素の最適pHは, 6, 2付近にある. (4) ジエチルジチオカルパミン酸ナトリウム, 2-メルカプトェタノール, KCNで強く阻害されるが, o-アェナンスロリン, α, α-ジピリジルでは,ほとんど阻害を受けなかった.アスコルビン酸に対する酸化作用は,認められなかった. (5) 本酵素はかクマル酸,レゾルシンによって阻害されるが,ハイドロキノンはまったく影響を与えなかった.
- 社団法人 日本農芸化学会の論文