デキストランシュクラーゼに関する研究(第1報) : Leuconostoc mesenteroides IAM 1046の生産する酵素の精製と性質,および酵素合成デキストランの構造について
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概要
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(1) Leucanostoc mesenteroides IAM 1046により,デキストランシュクラーゼを生産させるための培地,および培養条件を検討した. (2)上記菌株のデキストランシュクラーゼの部分的精製を行ない,硫安塩析およびDEAE-セルロースによるクロマトグラフィーを期いて,比活性が培養液の24〜56倍の精製酵素を得た. (3)部分精製したデキストランシュクラーゼの酵素化学的性質を検討した.その結果,この酵素は作用最適pH 5.0,最適温度30°C, pH 4.0〜7.5において安定であるが, 40°C以上にて速やかに失活するなどのことがわかった.またMichaelis恒数は30°C, pH 5.0で1.57×10-2 (M)であった. (4)生菌および各精製段階の酵素によってデキストランを生成させ,その構造を過ヨウ素酸酸化法によって検討した結果,精製酵素によって調製したデキストランは,生菌または培養上澄によって調製したものに比較して,α-1, 6-グルコシド結合の含量が増加していることを認めた. (5)以上の結果および他の2, 3の知見から,デキストラン合成酵素は単一なものでなく,α-1, 6-結合の合成を接触する酵素のほかに,α-1, 6-結合以外のグルコシド結合の合成を行なう酵素の存在を推定した.
- 社団法人 日本農芸化学会の論文
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