加熱による牛乳蛋白質のDEAE-セルロースカラムクロマトグラフィーにおける変化
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概要
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新鮮な牛乳より調製した全カゼイン,全乳清蛋白質を, pH 7.0, 0.02M燐酸緩衝液に透析し,脱脂乳は透析しないでそのまま, 70°, 80°, 90°, 100°, 120°,各20分間加熱したときの変化を, DEAE-セルロースカラムクロマトグラフィーにて,未加熱のものと比較した. カゼインを加熱した場合には, 100°以下ではクロマトグラムの変化を認めず, 120°, 20分間で変化を認めた. 乳清蛋白質では, 70°より変化が認められ,αsカゼインとβ-カゼイン間を頂点とする,単一な成分とは考えられない裾の長い山と,アルカリ溶出画分の増加が,加熱による特徴的なパターンとなる. 脱脂乳でも同様な傾向が認められ, 100°以下の加熱では,カゼインにはほとんど変化が認められないので,脱脂乳の加熱によるパターンの変化は,主として乳清蛋白質の挙動によることが明らかである. 乳清蛋白質の加熱による, DEAE-セルロースに対する吸着性の増加は,蛋白質分子の荷電や大きさの変化に起因するものと思われる.
- 社団法人 日本農芸化学会の論文
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