臭素化によるビタミンB6の定量に関する研究 : 純粋溶液中のB6の定量にいて
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
(1) ピリドキシン(PIN)の定量を,PINに直接臭素水,またはN-ブロムコハク酸イミド溶液を滴下して,終点を電位差滴定で決定する方法で行なった. (2) 臭化剤によるPINの臭素化の当量は2または4であり,6位の水素とフェノール性水素が,臭素により置換されると考えられた. (3) 定量操作: PIN溶液を40°にし, N/50臭素水,またはN/100-N-ブロムコハク酸イミド溶液を直接滴下して,臭化試薬の滴下量とそのときの電位をグラフにして電位差滴定曲線ならびに示差曲線を作成した.示差曲線の極大点を臭素化の終点とした. (4) この方法では1〜10mgのPINを±1.5%の平均誤差範囲で測定することができた.精度はPIN濃度の高い場合に良好であった.0.0025μg/ml以下の液では良い結果が得られなかった. (5) N-ブロムコハク酸イミドは臭素水に比べて安定性の高い臭化剤であり,本定量法に用いて好成績を得た.臭素酸カリはPINの臭素化に長時間を要して,定量には不適当であった. (6) ピリダキザール(PAL)もPINと同様に本定量法で定量が可能であった.