紅藻類粘質物の研究(第15報) : アガロス,アガロペクチンのゲル化現象と水素結合の存在
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
寒天の主要2成分AG,APのゲル化現象を比較し,寒天のゲル化現象におよぼす影響を考察した,分子量のほぼ等しいAG, AP(約5×104)を比較した結果によると,ゲル化点Tg,融解点Tmが急激に変化する試料濃度はいずれの場合もAPの方が高い.また,Tmと濃度Cとの間にはlog C=ΔH/RTm+Kなる関係が成立し,それより求めたΔHはAGの方が大きく,AGはAPより強固なゲルを形成することを示している.AG,APを混合するとAPの割合が増すにしたがってゼリーのTg,Tmよび保水能力はいずれも減少する.またAGにっいて粘度測定より水素結合の存在を,また,ゼリ-形成能の変化より分子間水素結合の存在をみとめ,さらに固体フィルム法によるIR測定により,固体状態のAG, APに水素結合が存在することを明らかにした.
- 社団法人 日本農芸化学会の論文
著者
関連論文
- p-キシレンのグロー放電による熱安定性薄膜の重合
- テトラメチルシランのプラズマ重合への混合ガスの影響 (プラズマ重合特集号)
- ポリ塩化ビニル共存下のポリスチレンの熱分解機構
- スズ(4)錯体による絹の処理に関する機構の研究
- 紅藻類粘質物の研究(第15報) : アガロス,アガロペクチンのゲル化現象と水素結合の存在