好氣性〓性纎維素醗酵菌に關する研究 : (第3報)〓素分解並びに代謝機構に關する知見
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概要
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吾吾は,好氣性中温性纖維素分解菌に依り纖維素を大量に分解させる方法として,振盪培養の最適なる事を認め,之に依り分解力の特に強い菌を選擇した.その中無纖窒素源にて分解力大なるNo.306,No. 107兩菌を用い,その最適窒素源及びその量,pH等を定め, No. 306に依り纖維素分解生産物を檢索した.その結果,消費纖維素の大部分(70〜80%)はCO2となり,他の1部が菌體を構成する事を知つた.又葡萄糖を基質とした際もCO2の發生量が,纖維素を基質とした場合と大差はなく,酵素作用に依り纖維素から葡萄糖が蓄積される事(最高,消費纖維素に對し16%)よりして,纖維素は葡萄糖を經て更に代謝され,遂に大部はCO2と水とになると考えられる.そして葡萄糖は纖維素と共存する場合0.1%にて明かに纖維素分解作用を阻害し,又培養液中にては僅か0.01〜0.03%の葡萄糖(對消費纖維素)しか見出されない事よりしても,生成葡萄は蓄積せられる事なく直ちに代謝される事が推定される.尚,殘纖維素に就いては目下檢討中であるが,使用菌種に依つては若干の變化が認められるようである.又之等の菌中には既に酸化能を有する事が見出されている事から,之と纖維素分解幟式との關聯性があるのではないかと考えられる. 以上の報告は既に昭和24年9月24日日本農藝化學會東京支部にて報告した.
- 社団法人 日本農芸化学会の論文
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