液體麹に關する研究 : (第2報) Asp. 屬黴の液體麹による酒精醗酵試驗
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概要
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(1)液體麹を糖化剤とし單用する液麹法に於ては黄麹菌より黒麹菌の方が酒精の醗酵率が良く,菌株を選撰する場合に單に糖化力,液化力を塩菌株の價値を決定することは困難であり,必ず酒精醗酵によつて酵素の總合的な作用を見ることが必要である.尚マルターゼと酒精醗酵は何等がの関係がある様に思われる. (2) 糖濃度10%程度の醪に於ては特定の糖化條件を必要とせず,醪に對して10%程度の液體麹酒母液を添加して,安全なろ併行複式醗酵により酒精を生産せしめる事が出來る. (3) 第1報により酵素力價のみを以て選擇した菌株中榊Ssp. awamorivar.fumeus,醸試「い」, Asp lnuii-0436は酒精の牧量が良く大體實用菌株としての價値がある. 本研究中有益な御指導を賜つた東大農學部坂降,朝井兩先生に感意を表します.尚研究費は至國合成清酒協會より多大の補助を頂きました事を感謝致します.
- 社団法人 日本農芸化学会の論文