レタスの発育に伴なう体内生理条件の変化
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
1. 3月25日播種の玉レタス(グレートレークス)の地上部の生長は,5月24日よりやや急激となり6月3日より結球初期(6月13日)までが最も旺盛である。一方葉数の増加は5月24日より6月3日までが最高で結球期に入るとその増加度は漸次低下する。 2. 6月3日の体内生理条件をそれ以前と比べると,葉の含水量,比電導度は減少し,粉末比重,修正濃度は増加しているが,6月13日と比べると前2者はほとんど変化なく,後2者はともに減少している。 3.含水量は生育初期には葉位の上昇につれ減少し結球期には上位葉ほど含水量が大となつているが,これら含水量の葉位別勾配の転換は6月3日に行なわれている。 4.粉末比重は生育初期には葉位の上昇に伴なつて著しく増大し,生育の進むにつれてその葉位別勾配はゆるやかになり,6月21日には外葉部では葉位の上昇に件なつて増加し,球葉外部では葉位の上るにつれてやや減少し球葉内部では著しく増大している。 5.修正濃度は生育初期には上葉位ほど低く,結球期には葉位の上昇に伴なつて増加し,特に球葉部での増加が著しい。 6.比電導度は全生育期間を通じて葉位の上昇につれて低下している。しかし結球充実期の外葉部では値がやや増加し葉位差が少なくなつている。 7. SC/RIは5月24日より6月21日まで葉位の上昇につれて急減しているが,結球期には外葉部の値がやや増加し球葉部の値が減少している。 8.以上の結果から玉レタスでは,生育の進行,結球開始,結球の充実に伴なつて著しい生理的変化が招来され各葉における同化物質の生成・蓄積・転流が起つているが,6月3日には葉内に可溶性物質の著しい蓄積が起り同時にロぜット内部の葉の形成・生長が盛んになつているのでこの時期が結球開始期と考えられる。
- 園芸学会の論文