化学的処理によるピーマンの除雄に関する研究 (第1報) : 2塩化プロピオン酸ソーダの散布によるやくの裂開抑制と茎葉および花器の形態的変化
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概要
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ピーマンのF1採種に当たってはその除雄操作に多大の労力を要する。この省力化を目的として2塩化プロピオン酸ソーダの10, 50, 250, および1250ppm水溶液を葉面散布し, その効果を調べた。供試品種には三重みどりを用い, 1回散布区と7日間隔3回散布区とを設けた。250ppm3回散布または1250ppm1回処理によってやくは全く黄白化し, 裂開は全く押えられた。これらの処理区では開花数はかなり減少したが, 茎葉の薬害は軽微であった。ただ, やくの裂開が完全に押えられた花では花柱の屈曲や子房の肥大などの異常を示すものがかなり見られた。しかし花およびやくの大きさには差異が認められなかった。除雄効果は処理後2週間めごろから急に現われ, 以後徐々に減退した。また, やくの裂開が完全に押えられてもそのやく胞中には発達した花粉粒が観察された。これらのことから, この薬剤は花粉母細胞減数分裂期以前のつぼみにその効果を及ぼすものであり, その場合も花粉粒の発達は大きく阻害せず, やくの裂開機能のみを抑止するものと思われる。
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