化学的処理によるピーマンの除雄に関する研究 (第2報) : 2塩化プロピオン酸ソーダの散布がピーマンの採種量および種子発芽力に及ぼす影響
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概要
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2塩化プロピオン酸ソーダの散布によってやくの裂開抑止効果と同時に子房の異常肥大が認められることを報告した前報に引続き, 着果率, 種子数および種子発芽力に及ぼす影響を調査した。200〜1,400ppmの濃度範囲で1回葉面散布を行ない, 処理後2週間経過して除雄効果が現われたのち品種間交雑を実施した。極端な高濃度処理でない限り着果率はさほど低下しなかったが, 含有種子数の減少は低濃度区でもかなり著しく, 800ppm区で半数以下となり1400ppm区では1/5となった。交配当たり種子数を計算すると, 除雄効果が確実となる1,000〜1,200ppm区では無処理区の約1/3となる。完熟果は1,000ppm区がもっとも小さく, また高濃度処理区ほど短形となった。これに対して種子千粒重は高濃度区ほど重かった。しかし発芽率は濃度の高い区ほど劣り, 正常芽ばえ数もやや減少した。このように除雄剤処理は落果を多くし種子発芽力をもそこなうが, それらはさほど顕著でなく, むしろ種子数を著減させる点が問題である。しかし, 人工除雄を実施した場合も交配当たり種子数がかなり低下することを考慮すれば, 実用化の可能性はいぜん高いものと思われる。
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