制御環境下におけるキュウリの生育反応 (第報3) : 2, 3の光質と暗黒の組合せによる日長条件下におけるキュウリの生長と性分化
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概要
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1. 長日性キュウリ品種「彼岸節成」を供試し, 28±1.5°C, 0.04gcal/cm2.min. の各種光 (赤および青色カラードランプ, 植物育成用蛍光灯) および暗黒の組合せによる8, 16, 24時間日長で育成して, 展葉, 茎の伸長および性分化を調査した。2. 光質のいかんをとわず, 日長が長いほど展葉数が多かつた。8および16時間日長区では白色光 (植物育成用蛍光灯による光を便宜上白色光と呼ぶ) 下で最も展葉数が多く, 青色光下で最も少なかつた。単色光による連続照明区では, 展葉数は光質によつて差が認められなかつた。光の組合せによる連続照明区では, 単色光による連続照明区より展葉数が多かつた。この傾向は連続照明の一部に8または16時間青色光を与えたとき最も顕著であつた。3. 茎の伸長は光質のいかんにかかわらず日長が長いほど大きかつた。単色光による連続照明区では青色光が茎の伸長に最も効果的であつた。16時間日長区では茎の伸長は白色光区で最も大きく, 赤色光区で最も小さかつた。8時間日長区では茎の伸長は白色光区で最も大きく, 青色光区で最も小さかつた。各種光の組合せによる連続照明区では茎の伸長は青色光を8または16時間受けるとき最も大きかつた。4. 花芽の分化はどの日長および光の組合せ区においても観察された。その花芽の発育は一般に高節位でおこり, 10節以上の節位で花性の判別ができたが, 赤色光区では花芽の発育がみられず, 花性の判別はできなかつた。白色光あるいは青色光による16時間日長および連続照明区では10節以上の節位に雄花がみとめられたが, 雌花はほとんどみとめられなかつた。また, 青色光による8時間日長区ではきわめて低い節位から雄花が着生したが, 雌花は着生しなかつた。
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