クリのクリタマバチ抵抗性に関する研究 (第2報) : クリのクリタマバチ抵抗性とクリの芽の組織化学
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概要
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クリタマハチ感受性および抵抗性品種の芽およびそこに形成されるクリタマバチによるゴールについて組織化学的な観察を行ない, 両者の相異を明らかにした。1. 両種にはゴールおよびクリタマバチ幼虫の大きさについて顕著な差がある。しかし幼虫は抵抗性品種でも11月上旬において相当多数のものが生存している。2. 核酸とくにピロニン染色によるRNAがゴールで多い。またゴール分裂層では仁および核が大型化している。ときには多核細胞, 多仁の核がみられる場合がある。細胞質も同様に多い。この現象は抵抗性が増すにつれみられなくなる。3. 感受性品種のゴール, とくにその分裂層ではヒストン, インドールの反応などタンパク質反応が大で, この合成が盛んである。4. 炭水化物について感受性品種のゴールことに分裂層はセルロースの沈澱が悪い。酸性硝酸銀による反応は2種類あり, 感受性品種と抵抗性品種のゴールでは反応が異なる。5. デヒドロゲナーゼとコハク酸脱水素酵素活性は感受性品種のゴールで顕著であるが, 抵抗性品種のゴールには全くないかほとんどない。6. 感受性品種のゴールの分裂層はべーオキシダーゼおよびNADIオキシダーゼの活性が強い。ゴール柔組織のそれらの活性は感受性品種ではパーオーキシダーゼの活性が大で, NADIオキシダーゼの活性は弱い。抵抗性品種はこの逆である。7. 抵抗性品種のゴールは抵抗性の弱いものでも50%以上, 強いものになると90%以上がかつ変を起している。このかつ変はカデコールタンニンが関与している。ボリフェノールオキシダーゼは抵抗性品種の方がいく分活性が大である。
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