除草剤CMMPに関する研究(第6報) : 特に同型アニライド化合物との作用機構の比較
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概要
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園芸用除草剤CMMPの作用機構を, 同じアニライド化合物のDCMP, DCPA, ならびにDCMAと比較し, ついで選択殺草機構の模式図を作成した.1. 光合成反応の阻害力をCMMPとDCPAとで比較した結果, いずれも生体に処理直後, 急速な阻害が認められた.2. CMMP抵抗性植物ミツバの光合成阻害の急速な回復は, DCPA処理後のイネにおけるごとく, 初期反応が加水分解反応のような解毒様式によるものではない.3. CMMPの Hill 反応阻害を, DCMP, DCPA, ならびにDCMAと比較したが, 大差を認めなかつた. したがつて, 側鎖および置換基と Hill 反応阻害との間に, 重要な関係はないものと判断される.4. CMMPの呼吸阻害を, イネおよびスズメノテッポウ幼根を用いて, DCMP, DCPA, ならびにDCMAと比較した. その結果, いずれも2.5×10-3Mの濃度で阻害を示し, その程度はDCPA>DCMP>CMMP>DCMAの順であつた.5. CMMP, DCPA, ならびにDCMAとクロロフィルとの結合は, 明らかに認められ, その結合力はCMMP>DCMA>DCPAの順であつた.6. CMMP, DCMP, DCPA, ならびにDCMAのクロロフィリンによる解毒作用は, CMMP, DCMP, ならびにDCMAでは認められたが, DCPAの場合まつたくみられなかつた.7. 以上の結果から, CMMPと同じアニライド化合物DCMP, DCPA, ならびにDCMAの主要殺草機構は, きわめて類似していることが明らかである.8. CMMPの選択殺草機構の模式図が提案された.
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