組織培養によるフリージアの繁殖に関する研究
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概要
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組織培養によるフリージアの繁殖の可能性, とくに大量繁殖の可能性を明らかにするため, 品種“ラインベルト•ゴールデンイ***ー (Rijnveld′s Golden Yellow)”を材料として, 球茎からのカルス形成, カルスの増殖および器官の再分化に好適な基本培地, オーキシンおよびカイネチン濃度, 糖濃度について検討した.1. カルス形成には, 1l当り Hyponex(7-6-19) 2g, Bacto-peptone 2g, Bacto-tryptone 2g, myo-Inositol 100mg, Thiamin•HCl 0.4mg, Sucrose 30g, Agar10gを混合して基本培地とし, 生長調節物質としてNAA を2mg添加した培地に球茎の側芽を植付けるのが最も良かつた.2. カルスの増殖は, 上述の基本培地の Sucrose を10〜20gに修正し, NAA を0〜2mg, Kinetin を2〜20mg添加した培地で可能であつた.3. 基本培地に NAA を0〜2mg, Kinetin を20mg添加した培地にカルスを移殖すると, 小突起をもつ球状の芽の原基 (Shoot primordia) を形成した. また同培地に移植すると, 芽の原基数はさらに増加した.この芽の原基は, 形態学的には種子繁殖により得られる形成初期の新球茎と同じものであると考えられた.4. 芽の原基形成後, 基本培地に IAA を0.2〜1mg, Kinetin を2mg加えた培地に移植すると発芽し, それをさらに基本培地に NAA を2〜10mg加えた培地に移植すると発根して新植物体となつた.5. 新植物体をはち上げして4個の球茎を得た. 球茎の重さは176〜1238mgであり, 普通球に比べて小さかつたが, 秋に定植したところ, 翌春2球が正常に開花した.
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