器内培養された Cymbidium protocorm like bodyの増殖に及ぼす coconut milk•寒天•しょ糖の量及びpHの影響
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概要
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Cymbidium の親株から出た新芽の茎頂を無菌的に摘出して器内で培養し, 形成された protocorm like body を12回細切と継代を繰返して, 生理的にも形態的にも条件の揃ったものを材料として用いた. この材料を直径1.5mm程度に分割し, 異なった培地に置床して器内培養し, protocorm like body の増殖率を調べた.(1) Knudson′s C基本培地に寒天15g/lを加え, これに coconut milk を添加する場合は, 10〜20%の添加で protocorm like body がよく増殖したが, 最高の増殖率を示したのは10%区であった.(2) 固体培地では寒天濃度0.8%と1.2%区で protocorm like body がよく増殖したが, 最もよく増殖したのは1.2%区であった.(3) しょ糖の添加量は, Knudson′s C培地, Kyoto 液体培地ともに2%区において最高の増殖率を示した.この場合の基本培地としては, Knudson′s C培地よりKyoto 培地のほうがやや高い増殖率であった.(4) Kyoto 培地 (液体) のpHは5.0と5.5で protocorm like body の増殖率が高かった.(5) Cymbidium の増殖における protocorm like body の増殖条件と protocorm からの器官形成の条件は異なることが推察された.
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