ブドウ樹のウイルスフリー化のための生長点培養による個体の再生について
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概要
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ウイルスフリー化を目的に, ウイルス病に汚染されている善光寺ブドウを材料とし生長点培養により完全植物体の再生及び増殖に成功した. 大きさ0.2〜0.3mmの生長点組織を置床後緑化, 肥大するまでは, Murashige & Skoog (1962) の1/2濃度の培地へNAA, 0.1mg/l, BA, 1.0mg/l, カイネチン, 0.5mg/l, アデニン, 4.0mg/l, ショ糖, 30g/l, 寒天, 6g/lを添加し, pH5.8に調整したI-2培地が最も適していた. 続いて奇型葉の形成, 引き続いての多数の芽の形成には, I-2培地のNAAをIAA, 0.2mg/lにかえたIII-1培地が適していた. 引き続いての多数の芽から小葉の展開, 伸長にはII-1培地からBAとショ糖濃度を半減したII-4培地が適していた. 発根の誘導には, Galzy の培地 (1964) にNAA, 0.1mg/lを加えたIII-1培地が, そしてその後の地上部, 地下部の伸長にはIII-1培地からNAAを除いたIII-2培地が適していた. その後, はち上げ, 順化が行われた. この間最も短かいもので約4か月間を要した.また, 増殖は小葉の展開, 伸長した茎葉を分割してII-2培地 (II-1培地のショ糖濃度を1/2としたもの)へ移植し, 多数の芽の形成, 伸長を促進させ, その後II-4培地で再度小葉の展開, 伸長期まで到達させることで成功した.
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