イチゴ内生ジベレリンの活性に及ぼす光中断の影響
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概要
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長日によって促進されるイチゴの葉の生長反応にジベレリンが関与しているか知るため, 白熱灯により暗期内の種々の時間帯に3時間の光中断を行ったときの内生ジベレリンの活性の変化を調査した.葉の生長に光中断の影響が現われ始めたのは処理開始後9日目頃であった. その後, 処理間に差が認められるようになり, 葉の生長は暗期の中央の光中断区で最も促進された.薄層クロマトグラフィとイネ苗テストを用いた結果, イチゴ茎葉から抽出した酸性酢酸エチル分画に含まれるジベレリン様物質のうち主要なものは, GA19, もしくはこれに極めて類似した物質と考えられた.光中断処理区におけるGA19様物質の活性は, 処理開始後9日目に調査したとき自然短日区より増加していたが処理区間差は明らかでなかった. したがって, イチゴの葉の生長反応をGA19様物質の量的変化のみに基づくものと説明することは困難と考えられる. 同じ処理開始後9日目には, 一般的には活性が低いと考えられているGA19様物質の一部が他の活性型のジベレリンに転換した可能性を, わずかではあるがうかがわせる結果が得られたことから, イチゴの葉の生長における活性型のジベレリンの同定, 定量が必要と考えられた.
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