和梨果實の袋掛に關する生理學的研究 (第2報):袋の掛替が果點コルクの發達に及ぼす影響
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概要
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1. 本實驗は前報に於て和梨果實の果點の發達が被袋材料の種類により顯著なる影響を受くるとされた赤穗, 長十郎の2品種に就き, 2, 3の袋の掛替が果點コルクの發達に如何なる影響を與へるかを知らんとして行つたものであり,併せて和梨果點の發達に關する氣象要因を檢討する資料の一助たらしめたものである。2. 實驗に採用した袋の種類は, ハトロン紙, 新聞紙, セロファン紙の3種であり, ハトロン紙を標準とし新聞紙, セロファン紙及夫々の同種袋の朝夕2囘の掛替 及日中セロファン紙袋, 夜間新聞紙袋を, 又日中に新聞紙袋, 夜間セロファン紙袋を掛けるやう異種の袋の朝夕2囘の掛替を行ひたる7區を設け, 幼果, 成熟果に就き果點の大さを測定比較した。3. 兩品種何れに於ても幼果成熟果共に袋の種類により果點コルクの發達の影響されること就中セロファン紙袋による發達顯著なることは第1報に於けると同樣である。4. 袋の掛替により果點コルクの發達の影響されることは同種並に異種の袋の掛替に於て共に認められるところであるがその程度は果點コルクの發達を大ならしむる袋即セロファン紙袋の掛替を行ひたる場合に於て甚だ明瞭である。5. 袋の掛替により和梨果點コルクの發達が影響されるのは掛替を行ふことにより主として袋内の氣象條件特に關係濕度の變化に基因するものと考へられる。6. この事は無底並に有孔のセロファン紙袋を被ひたる同品種の果實に於て正常なる同種の袋を被ひたるものゝ果點コルクの發達に比較し著しく劣る事實を基礎として考へられるも容易に推論されるところである。
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