長十郎實生及長十郎の根苗兩極性相互轉化に就いて
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概要
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1. 根から芽を生じ枝から根が生ずるのには必ず中間段階として中性未分化の細胞群たる Callus が出來る。2. 此 Callus の細胞が日光に當り且水分が少いと莖の性質を帶び始めて其方向に分化發達し, 暗黒多濕の場合は根の性質を帶び其方向に分化發達する。3. 一度莖に分化發達したもの及一度根に發達分化したものでも轉性せしめる事は出來る。根は日光と乾燥に遇つて其の後の新生組織は莖と同樣に靱皮木質は重輪状配列となるが反對に幹を暗黒多濕の處へ置くと其の後葉緑素を失ひ靱皮木質兩組織は放射状に發育するやうになる。4. 日光特に短波線は根を莖に轉ぜしむるが如く, 乾燥は之を助長するもののやうである。日光特に短波線は根の發生及生長に有害なる作用をする。5. Callus は必ず靱皮柔組織に先づ生じ, 次で木質形成層が活動するやうであつて活動の始めには先づ細胞膜が殆ど消失し次で個々の細胞増大し次に活溌なる分裂を始める。6. 轉性の速度は莖より根への方根より莖への方よりも大である。
著者
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