ブドウ‘デラウェア’の最適葉面積指数について
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概要
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平棚栽培におけるブドウの最適LAIを明らかにするため, 無加温ハウス栽培5年生‘デラウェア’園の棚下に鉢植えの3年生‘デラウェア’を持ち込んで, 果実肥大第1期から成熟期までのNARを測定した. また, ガラス室において鉢植えの4年生‘デラウェア’の密度(LAI)と着果量を変えて, 果実の諸形質に及ぼす影響を調べるとともに, NARとCGRを測定した.1. 各供試樹を庇陰しているブドウ樹のLAI(X)と庇陰された供試樹のNAR(Y)との間にはY=0.126X2-1.33X+3.01の関係が見られた. この式からNARが0になる庇陰樹のLAIを計算すると3.2になるが,LAIの測定値が実験終了直後のものであったところから, 無加温ハウス平棚栽培の‘デラウェア’における物質生産の見地からの最適LAIは3よりやや低いところにあると考えられた.2. LAIが2.08と2.82とではNARに大きな差は見られなかった. したがって, CGRはLAIの高いLAI-2.82区のほうが高かった. 樹単位のNARはその着果量が多くなるにつれ大きくなる傾向が強かった.LAI-2.08区では, 着果量が2kg/m2を越えると着色不良果が発生したが, 2.82区では着果量が2.8kg/m2であってもほとんどが正常に成熟した.3. 以上の結果から, 平棚栽培の無加温ハウス‘デラウェア’における最適LAIは, 収量や品質の点を考慮に入れたとしても2より大きく, むしろ3に近いと考えられた.