ハクサイゴマ症発生とその防止法に関する研究 : (1) ゴマ症発生中の形態及び組織化学的観察
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概要
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富山県等においてハクサイの主脈や葉脈に多数のゴマ状の黒色斑点の発生が認められた. この症状はゴマ症と呼ばれ, 発生の激しい場合は市場価格が著しく低下する. しかしゴマ症発生とその防止に関する報告は少ない.本報告ではまずハクサイ生育中のゴマ症発生の特徴を調査し, さらに発生部位とその周辺を形態学及び組織化学的に観察した.1. ‘ひばり’や‘耐病60日’に認められるゴマ症の発生は, その現象から2タイプに分けられた. タイプ1は未成葉で発生し, 初期生育が異常促進されることと密接な関係があった. タイプ2は成葉で発生し, 結球重に対する外葉重の割合の低下が関係していた.2. 形態学的には, 斑点発生に先だち, まず細胞内顆粒の肥大が認められ, その後細胞壁が褐変した. この細胞壁の褐変は, 細胞内顆粒や核の肥大と共にさらに拡大し, 周辺には原形質分離細胞が認められた.3. 組織化学的には, 斑点発生部位にクロロゲン酸の存在とポリフェノールオキシダーゼの活性が認められ,その周辺にポリフェノールの存在とパーオキシダーゼの反応が認められた.4. 褐変細胞の顆粒周辺に亜硝酸の分布が認められ, 細胞内顆粒の肥大が認められる部分と一致した.
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