ナルトミカンの生理障害 (果皮黄斑症) の発生に及ぼす採収時期, 貯蔵温度及び貯蔵前の加温処理の影響
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概要
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ナルトミカンの果皮黄斑症の発生に及ぼす採収時期, 貯蔵温度及び冷蔵前の加温処理の影響並びに加温処理に伴う果皮組織からのイオン漏出量について調査した.1. 採収時期の早晩と貯蔵中の障害発生との関係を3カ年調査したが, 完全着色期よりも前に採収した未熟果では発生がみられず, 12月以降の低温期における採収果で障害果の発生が多くなった.2. 低温 (2〜10°C) 貯蔵した方が15°Cや常温で貯蔵したものよりも障害果の発生率が高かった. 貯蔵温度によって時期的な発生消長が異なり, 2°Cでは初期発生の時期が遅く, 貯蔵後半に急増したが, 10°Cでは貯蔵前半に多発し, 後半の発生が少なかった.3. 低温貯蔵前の加温処理 (25〜35°C) により, 障害果の発生が著しく抑制された. 35°Cでは6時間処理で抑制効果が現われ, 24時間以上の処理で効果はさらに高まった. また, 果皮組織からのイオン漏出量は冷蔵前の加温処理によってかなり減少した.4. 以上より, 本障害は広義の低温障害に属するものと推定され, 貯蔵温度が障害の発生及び進展に密接に関係し, かつ貯蔵前の加温処理により障害発生が回避されることが判明した.
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