界面活性剤を添加したSTSによるスプレーカーネーションの品質保持期間延長
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概要
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STS前処理による品質保持期間の延長効果がスプレーカーネーションではスタンダードカーネーションに比べて小さい原因を明らかにし, スプレーカーネーションに有効な前処理剤を開発することを目的に実験を行った.<BR>STS前処理によるAg<SUP>+</SUP>の吸収量を定量したところ,スプレーカーネーションは花弁の萎凋抑制に必要と考えられるAg<SUP>+</SUP>を吸収していた.<BR>品質保持期間は1茎に開花した5側枝花蕾をもつ通常の切り花より, 茎から分離した側枝花蕾で長くなった. 次に, 1茎当たりの花数を5花から3花または1花に制限して水にいけたところ, 水分収支が改善され,品質保持期間が延長された.<BR>これらのことから, スプレーカーネーションはエチレンの作用とともに, 花器からの蒸散による水分収支のアンバランスで萎凋が促進されると考えられた.<BR>非イオン系界面活性剤ポリオキシエチレンラウリルエーテル (PLE) の前処理により吸水量が増加したので, STSにこの界面活性剤を添加して前処理を行ったところ, 品質保持期間はSTS単独処理より著しく長くなった.<BR>以上の結果, スプレーカーネーションには1時間処理ではSTS1mMに界面活性剤 (PLE) 1000ppmを添加した前処理剤が, 24時間処理ではSTS0.2mMに界面活性剤 (PLE) 100ppmを添加した前処理剤が有効であった.
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