カンキツ各種台木の生育特性と内生ABA, IAAおよびGAとの関係
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概要
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カンキツ各種台木の特性についてつぎの知見を得た.<BR>1. 9月以降, カラタチ, ヒリュウ, トロイヤーシトレンジおよびラスグシトレンジの実生は伸長が止まったが, シイクワシャーとラフレモンは伸長を継続した.<BR>2.市文早生とユーレカレモンを接木した上述の台木の根の総伸長量はいずれも, 7月から10月にかけて急激に増加した. 接木後20ヵ月で解体し, 地上部の総伸長量, 枝と葉の生体重を調査した結果, シイクワシャー台の生育が最も良好で, 次いでカラタチとラフレモン台で, 不良であったのはヒリュウ, トロイヤーシトレンジおよびラスクシトレンジ台であった. いずれの台木とも, 市文早生よりもユーレカレモンを接木した方が生育が良好であった, 根の生育は, 地上部とは異なった傾向を示し, 市文早生を接木した場合カラタチ台が良好で, ユーレカレモンを接木した場合ラスクシトレンジ台が不良であった. TR率は, いずれの台もユーレカレモンを接木した方が高い値で, 特にシイクワシャー台で3.0と高かった.<BR>3.カラタチ, ヒュウおよびシイクワシャーの地上部と根の内生ABA, IAAおよびGAを定量した. 地上部の内生ABA濃度は, カラタチが最も高く, 次いでヒリュウ, シイクワシャーの順で, 地上部の内生IAAとGAは, いずれの種類でも同程度の濃度であった. 根の内生ABA濃度は, カラタチとシイクワシャーより, ヒリュウで少し高く, 内生IAA濃度はシイクワシャーで他の約3倍高かった. 根の内生GA濃度はカラタチが他の約3倍高かった.
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