秋田縣下に於ける砂丘地梨園に關する調査
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概要
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1. 土壤生産力が低く常時旱魃に悩まされる砂丘地果樹園の改善策を見出すために秋田県下に於て調査を行つた結果である。2. 砂丘地果樹園の土壤は明らかに3層より成り園により各土層の厚さは異なるがその構成並びにに性質は大体同じであつた。3. 第1層は表土でやや黒褐色を呈し, 有機物•全窒素含量が高く, 亦物理的性質も良好, 根群の分布もよいので最も重要な養分供給圏であり, この部分を厚く深くする事の重要性が明らかに認められた。4. 第2及び第3層は肥沃度は著しく少くなるが最も重要な通気性については過湿にならざる限りは極めて良好であつて, これが根の伸入を妨げているとは考えられなかつたが, 各園により根群の深さの異なるのはその地下水位によるものであることが明らかになり, 砂丘地に於ける下層土への根の侵入の妨害は主として地下水による過湿によるものであることが明らかになつた。この事実は園地の撰定並びにに土地改良上重要なことである。5. 葉分析の結果は葉成分には不足なくこれらの園の肥培管理は適当であると考えられる。6. 原因不明の chlorosis を起した園の葉分析の結果K含量高くCa含量低いことが認められたが, その原因については明らかにすることが出来なかつた。7. 砂丘地の生産力を高め旱魃をまぬがれしめるためには園地の撰定並びにに土壤管理を重視する必要がある。
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