土壤濕度及び低温がデンドロビューム•ノビルの花芽分化に及ぼす影響
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概要
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1. 土壤濕度, 特に乾燥と低温とが, D. nobile の花芽分化に及ぼす影響を調べる爲に, 1951年10月20日より1952年3月末日に至る間, 横濱市保土ケ谷區に於いて本實驗を行つた。2. 實驗に使用した材料は, 1鉢に4〜5本の開花用偽球莖を持つたもの60鉢を撰び, 之を高温•低温の2區に分け, 更に各區を乾•濕の2區に分けた。3. 低温區は乾•濕兩區共, 11月29日に花房の分化期にあるものが認められ, その後の發育も順調に行われて, 翌年の3月23日に開花し始めた。この場合, 花芽の分化期, 開花期, 1僞球莖上に於ける花芽を含んだ芽の數, 1芽から開花した花の數等について, 乾•濕兩區間の差異は殆んど認められなかつた。4. 高温區に於いては, 乾•濕兩區共, 花芽の分化は見られず, 遂に高芽となつた。5. 以上の結果より, 本實驗の範圍内に於いては, 乾燥の効果は直接認められず. 低温の効果は, 明らかに認められた。