北アルプス針ノ木岳・蓮華岳周辺の氷河地形と氷期の地形的雪線高度
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概要
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北アルプス中部, 針ノ木岳・蓮華岳周辺の氷河地形の分布を明らかにし, 南北両斜面における分布や地形的雪線高度のちがいについて比較した。またこの結果を槍・穂高連峰の地形的雪線高度と比較し, 両地域における氷期の気温差の算出を試みた。当地域の氷河地形分布は第3図のようにまとめられ, モレーンや氷食壁の分布状況から, 当地域では古い方から針ノ木I期〜IV期の4回の氷河前進期が認められた。これらの前進期における氷河分布面積は, 各前進期とも北側斜面の方が広い。地形的雪線高度は, I期やII期では北側斜面の方が高いが, III期やIV期になると南側斜面の方が高くなる。また, 当地域の氷河分布面積と地形的雪線高度とを槍・穂高連峰のそれらと比較した結果, 当地域の方が分布面積は狭く, 地形的雪線高度は低いという結果となった。次に両地域の気温差について検討した結果, 1期 (滝谷期) で0.4℃, II期 (槍平期) で0.5℃, III期 (飛騨沢期I) で0.9℃, IV期 (飛騨沢期II) で1.0℃とそれぞれ当地域の方が気温が低くなり, 新しい前進期ほど現在の気温差 (1.2℃) と変わらない結果となった。
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