庄内平野の地形分類図にあらおれた活褶曲
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概要
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庄内平野東部には基盤の新第三系の余目背斜が南北に走る。「庄内平野水害・地盤液状化予測地形分類図」(大矢ほか, 1982, 1989) で認められる「最上川蛇行帯低地」は, 河口までの最短コースである余目を通らず, 北へ弧状に迂回している。そして, 余目背斜を横切る砂越―余目を結ぶ線の付近では蛇行帯の幅が狭まり, 旧河道と背後の自然堤防との比高が大きくなる。また, 17世紀以降の最上川の河道変遷を明らかにした (大矢ほか, 1982, 1989) 結果, 余目背斜のところでは比較的河道が安定で, それより上流側や下流側では洪水のたびに河道を移してきた様子がわかる。最上川以外の小河川をみると, 相沢川は余目背斜付近で沖積段丘を形成し, また, 京田川は余目背斜の付近で穿入蛇行状を呈し, いずれも河道は沖積面を掘り込んで流れている。地形分類図に表現されたこれらの現象は, 活褶曲 (余目背斜) に対する, 河川のさまざまな反応とみなすことができる。
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