急性膵炎の発生と膵管上皮の変化特に protective barrier について
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概要
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家兎の膵管上皮には, これを被う alcian blue 陽性, alcian blue-P.A.S. で菫色に染まる被覆層があり, また, 同様の染色態度を示す胚細胞が上皮配列間に介在している.家兎膵管内に低圧で, 小量の胆汁やトリプシンを注入しても, これらの膵管上皮被覆層や胚細胞には変化がみられず, 膵実質の変化もきわめて軽微であるが, これらに β-glucuronidase を併用すると激しい膵炎を発生する. 胆汁と β-glucuronidase の併用による膵炎は膵管上皮の破綻と関係があり, トリプシンと β-glucuronidaseの併用による膵炎では膵管の変化は軽度であるが, 膵は充血が強く, 実質障害も著しい. phospholipaseA を注入すると膵管上皮, 膵実質の両者に変化が認められる.