新しい出血モデルを用いての純エタノール局注療法の止血効果と安全性の検討
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概要
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成犬の gastric あるいは colonic serosal vessel を用いて実験的出血モデルを作製し, このモデルを用いて純エタノール局注療法の効果と安全性について検討した. 実験は, 1) 急性出血に対する止血効果, 2) 予防的止血効果の2つに分けて行つた.その結果, (1)急性出血では血管径1.6mmからの出血に対しては, 純エタノール局注療法は無効であつたが, 径1.0mmでは有効であつた. (2)予防的止血効果は血管径1.6mmでも充分に認められた. さらにエタノール局注の安全性を確認するため, 内視鏡下でイヌの胃粘膜に1mlの純エタノールを局注し, この病変を経時的に観察し, また, 組織検索も行つた. 1mlのエタノール局注ではU1 IIIの潰瘍を形成するがこの潰瘍は3週後には完治していた. 現在臨床的に用いられている注入量では充分安全域にあると思われた.
著者
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藤田 善幸
聖路加国際病院 消化器内科
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Lucas Charles
Department Of Surgery Wayne State University
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須川 暢一
Department Of Surgery Wayne State University
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増山 仁徳
独協大学医学部第2内科
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