メロンの不定芽培養系における二倍体および四倍体細胞からの選択的植物体再生
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概要
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メロン (Cucumis melo L.) の不定芽培養系におけるカルス細胞と再生植物体の染色体数の変化を市販の二品種を用いて観察した. 培養5日後ではカルス細胞の96.5-98.0%が二倍体 (2x=24), 2.0-3.5%が四倍体 (4x=48) であった. 培養7日後には二倍体細胞の頻度が76.5-80.0%に減少し, 四倍体細胞の頻度が11.0-15.5%に増加した. また半数体 (x=12), 三倍体 (3x=36), 六倍体 (6x=72) および八倍体 (8x=96) 細胞もわずかに出現した. 培養14日後には二倍体細胞の頻度が30.0-44.0%にまで減少し, 四倍体細胞の頻度が, 27.5-35.5%にまで増加した。また新たに9倍体以上の高次倍数体細胞も出現した. カルス細胞では, 観察した培養14日後までに2.5-24.5%の頻度で異数体が観察された. 再生植物体では56.0-69.0%が二倍体, 26.0-37.0%が四倍体であった. また5.0-7.0%は, 二倍体と四倍体細胞よりなる混数体であった. 高次倍数体や異数体植物は観察されなかった. 以上よりメロンの不定芽培養系では, 二倍体と四倍体細胞から選択的に植物体が再生するものと考えられた.
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