スイカの種子子葉部からの不定芽誘導と植物体再生
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概要
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スイカの不定芽再分化条件と植物体再生条件について検討した. 不定芽再分化のためのホルモン条件を検討するため, 各種濃度のIAAとBAを組み合わせた再分化培地に, 滅菌した種子を播種し, 3日目の実生から子葉を切り出して外植片とした. 外植片は再び再分化培地に置床して不定芽の再分化率を検討した結果, 10mg/l IAAと10mg/l BAを組み合わせた培地 (W-1) で最も高率 (50%) に不定芽が誘導された. 次に, 種子の前培養が再分化に及ぼす影響について検討した. その結果, W-1で3日間またはホルモンを含まないMS培地で1日間前培養した実生由来の子葉を用いることで高頻度な再分化が認められた. 5日以上前培養した実生は, 前培養の日数の増加とともに再分化率は低下した. 子葉の部位による再分化に及ぼす影響を検討した結果, 基部の再分化率が55.3%と先端部の23.0%に比べ高率であった. さらに, 再分化に及ぼす品種間差異を検討した結果, 供試した全ての品種から再分化個体が得られたが, 明らかな品種間差異が認められ, 特に‘黄小玉’及び‘赤小玉’が高い再分化率を示した.
- 日本植物細胞分子生物学会の論文
著者
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田部井 豊
野菜・茶業試験場
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菅野 紹雄
野菜・茶業試験場
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田部井 豊
野菜・茶業試験場:(現)農業生物資源研究所
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山中 寿子
野菜・茶業試験場
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菅野 紹雄
野菜・茶業試験場:(現)東北農業試験場
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菅野 紹雄
野菜・茶業試験場 野菜育種部
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山中 寿子
野菜・茶業試験場 野菜育種部
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